らうんどあばうと

ラウンドでアバウトでランデブー

【2019/3/21】

街を行く人全てが別世界の存在のようだ。いや、実際その通りなのだろう。僕と彼らは正しく平行線を形作っており、交わることは無い。しかし彼らが誰かと交わっている以上、僕にとってすべての人間が平行線を描いていることにはならない。僕と平行な彼らと交わる誰かは、また僕とも交わる可能性を持っているからである。無論僕の直線が永遠と続くのであれば僕と誰かは確実に交わることになり、しかし実際はそうではないためにただ交差の可能性を持っているにすぎないが、この生という時間は誰かと交差するには十分な時間であると考えられる。そして、この事実が僕をより悩ましくさせるのだ。つまり、この状況はもう好転することはないだろうと現在において確信しているにも関わらず、交差によって状況が変化することを望んでいるからである。ただ、これこそが生の源流であることを僕は理解していると思いたいし、そうであるならば僕はこの衝突に十分な力を注ぐ準備をしておかなければいけない。大切な事とは、僕がどう感じるかではない。