【CD感想】見っけ / スピッツ
スピッツ最新アルバム。最初一周聴いた時はなんとも言えないなと思いました。印象深いサビがある曲が一つも無く、メロディのインパクトがイマイチでした。イマ風ではないですね。『スーべニア』から『醒めない』まで続いてきた流れがここで一旦終わったような感じで、『名前をつけてやる』、『惑星のかけら』のような初期の雰囲気を併せ持ったアルバムだと思いました。5回ほど聴いてからようやく慣れてきて、それぞれの曲の良さが分かってきました。『醒めない』と比べるとやっぱり『醒めない』の方が好きかなと思います、『醒めない』も『コメット』から『SJ』の中盤が自分には微妙な流れなんですがそれを併せても力強くて良いアルバムだなあと思います、クセが強くて飽きやすくもなるんですが。あとは『醒めない』に比べるとボーカルが比較的小さくてそのせいで雰囲気も変わっているのかもしれないなあとも思いました。でも決して『見っけ』は悪いアルバムではなくて、これは単純に好みの問題なんだとも思います。不気味でダークなだけでノスタルジアが余り感じられなかった点に、このような感想になった理由があると思います。
1.見っけ ★★★☆☆
イントロのシンセサイザーが徐々に昇っていく様はアルバムのはじまりって感じで高揚しますね。マサムネさんの高音部分にちょっと違和感がありました。
2.優しいあの子 ★★★★☆
シングルだけど余りシングルっぽくないですね。ほかの曲もそうですけど短いんですよね。でもこの曲が長くなっちゃうとアルバムの雰囲気が瓦解するような気もするのでこれで良いのかもしれません。
3.ありがとさん ★★★★☆
アウトロが長めなのは珍しいですね。ピアノがグッドです。
4.ラジオデイズ ★★★★☆
ラジオ賛歌。途中のノイズを思わせる効果が割と好きです、ギターが一番聴こえてくる曲です。
5.花と虫 ★★★☆☆
平坦な曲だなと思いました。演奏は気持ちいいです。
6.ブービー ★★★☆☆
これも印象に残らず…。ピアノは良いです。
7.快速 ★★★★★
これは快作!聴いていて疾走感が気持ちいいです。でも単に爽快な心地良さではないんですよね、すっきりしたメランコリアが快感です。まさに『見っけ』のアルバムの雰囲気を持ったロックンロールです。全部の音が耳に一直線に向かってきます。大好きなので3分じゃなくてもう少し長かったらなあと思いますが、これはこの短さがきっと良いんですよね。最近のスピッツの中でも上位の曲です。
8.YM71D ★★☆☆☆
イントロを一聴してこれはこれまでと違う曲だぞと思わせる曲。今までになかったシティポップ風ですが、自分にはこれじゃない感があります。
9.はぐれ狼 ★★★☆☆
無難なロックです。地味な曲と思いました。
10.まがった僕のしっぽ ★★★☆☆
転調が激しい曲で、これもこれまでになかったような曲ですね。フルートでリズムを整えているのがなんとなく昭和っぽいです。何年か経ったらお気に入りになるかもしれません。今はまだ微妙ですね。でもこれ、めちゃくちゃカッコイイです。
11.初夏の日 ★★★★★
良い意味でらしい曲です。古い曲ですからそう感じるのも当然かもしれません。このとろけそうなリズムで「時が流れるのは しょうがないなあ」なんて、やられちゃいますよね。意外と低音も目立っています。
12.ヤマブキ ★★★★☆
こういう曲でサッパリと締めるのがまた良いんですよね。ストレートな歌い方をしたのはアルバムでこれだけかも。
13.ブランケット ★★★★★
かなりカッコイイ曲です。初回限定盤はこのセルフカバーが最後に入ります。サビの終わりに被さって密に響き続けるギターは洋楽っぽいです。いやこれはカッコイイ。
- アーティスト:スピッツ
- 発売日: 2019/10/09
- メディア: CD