らうんどあばうと

ラウンドでアバウトでランデブー

【詩】アムネジア

遠目に映した君のマンドリン
屈折した街の光が揺れる 揺れる
月が定めた夜なんです
もう会えないなんて わざとらしく
君のかかとみたいに氷った気持ち どうか名付けて

記憶の一粒だろうと拾い上げてつくった砂時計
全然眠れないんです 知らないでしょう
君の街に雪を降らそう 夜のうちに一番の大雪を降らそう
君の目が宝石みたいにときめくように
誰かと笑いあえるように 素敵な一日になるように

いつかは死ぬとか 今だって老いているとか 伝えようがないとか
優しくしたいとか 思い出せないあれこれを誤魔化したこととか

赤いマフラー見つけた雑踏
                                    眠る 眠る 何度でも眠る
                                    眠る 眠る 忘れないよう眠る
                                    眠る 眠る どうしようもなく眠る