らうんどあばうと

ラウンドでアバウトでランデブー

【2020/6】副題:フリ

僕たちは日々の空白を金や保身や快楽、誇大した自己で塗りつぶしてもう全部忘れて認知症患者のように過ごしている、そうだね?

物事には前座としてのフリがある。フリの段階で現在の状況を共通の認識にさせることではじめてその後のボケが成立する。フリを人間関係の構築にも無意識に使う人間がいる。それは自分の弱みを最初に敢えて見せる連中である。自分の弱みを見せることで相手の警戒心を解くことが目的である。実際その弱みはこうやって見せびらかすための弱みであって本人にとっては恥ずかしい事では無い。こういうフリをされるのに慣れていない人間は良い印象を抱くことになる。自分を開示してもらえたことはすなわちこちらへの安心感を掲示していることになるからである。しかし実のところ何も掲示されていないのである。見せられた弱みは意図的に形成されたものである。そんな低級なフリじゃボケも全然笑えないし面白くもない。この種の人間の周りにいる人間も同種でつまらない。