らうんどあばうと

ラウンドでアバウトでランデブー

【CD感想】Weather Diaries / Ride

僕の好みですが、このアルバム、特に中盤までがRideの最高傑作と言っていいと思います。1stよりも耽美かつ曖昧に空間的な広がりを持った澄明なサウンドで、『Wheather Diaries』のアウトロにおける幻想的な音の伸縮はこのアルバムの頂点として極まっています…

【CD感想】ヒバリのこころ / スピッツ

インディーズのころのアルバムで、現在では入手困難になっています。このアルバムだけでしか聴けないのは『353号線のうた』と『死にもの狂いのカゲロウを見ていた』の2曲だけですが、『ヒバリのこころ』と『恋のうた』もそれぞれ少々の歌詞とアレンジの違い…

【詩】衰弱

僕はこういう場所にいる。外はいつでも人がいる、深夜であっても人はすぐに見つけられて、人がいない時間をつくらないために交替制をとっているかのようである。それに音がしない時間もない。話し声や、車の音、電車の音もある。規則に従って一定の間隔で発…

【2020/6】副題:フリ

僕たちは日々の空白を金や保身や快楽、誇大した自己で塗りつぶしてもう全部忘れて認知症患者のように過ごしている、そうだね? 物事には前座としてのフリがある。フリの段階で現在の状況を共通の認識にさせることではじめてその後のボケが成立する。フリを人…

【CD感想】How To Dismantle An Atomic Bomb / U2

尖ったサウンドが目立つ危なっかしいロックンロールです。かっこいいです。 1.Vertigo ★★★★★ 2.Miracle Drug ★★★★☆ 3.Sometimes You Can't Make It On Your Own ★★★★☆ 4.Love And Peace Or Else ★★★☆☆ 5.City Of Binding Lights ★★★★★ 6.All Because Of You …

【CD感想】OK Computer / Radiohead

かなり好きなアルバム。重苦しく重厚な空気を醸していて、全体的に浮遊感があるアルバムです。曖昧で重なりのある音像の曲が多いのがいいです。潜水を繰り返しているような息苦しさも感じるものの、複雑で美しいメロディは陶然となれます。いわゆる捨て曲と…

【詩】パン人間

俺はパン人間だ。そうじゃないと言う人間もいるだろうが俺はパン人間だ。俺が俺のことをパン人間だと決めたからパン人間なのか、それともそれより前から俺はパン人間なのかは知らない。俺はパン人間でほかの何でもないのだから、パン人間じゃない俺について…

【2020/5】副題:就活

基本的に毎月書くこともとくに無いのでこれからは副題を設定して少々それについても書くことにすることになるかもしれない。まあ多分僕はこのまま年を取り続けるだろうがだんだん社会と疎遠になっていくだろうと思う。それは仕方のないことだと思う。常識が…

【曲感想】pinkie / BUMP OF CHICKEN

pinkie ★★★★★ 『HAPPY』のカップリングです。A面同様に歌詞が素晴らしい曲ですね。COSMONAUTの時期らしい歌詞で、他の曲とも共通する部分が多いです。歌詞だけでなく、メロディラインも綺麗でカップリングのままでアルバムにも入らないのはもったいない曲で…

【CD感想】OTRL / 奥田民生

調べてみたらこれ元々はライブ音源で,ミックスしなおしたものらしいですね.シンプルなアルバムで純粋に歌のメロディを楽しめます.韻を踏んだノリの良い曲が好きな人は好きでしょう.『最強のこれから』は力強く,分厚いサウンドがグッドです. 1.最強のこ…

【詩】海

ここで待っている。 だが何を待っているのだろう? 白い流木、欠けた貝殻。乾いた音を立てるものたち。 待つためには目を閉じなくてはならぬ。そのときが来ればそっと触れて教えてくれるはずだからである。 流美な言葉をただ重ねればよいのだろうか? 書くの…

【2020/4】

コロナウイルスが凄まじい影響を及ぼしていて、日本も世界も困っていますね。そして片隅で僕も困っているわけなんです。社会のことを綺麗で完璧な円のように考えていた。だがどうだろう。歪で見れたもんじゃない、凹みが数え切れないくらいある。誰も何を作…

【CD感想】Union / Yes

ハードなポップが集まったアルバムです。多くの人に強い印象を生むような曲があるとはいいがたいところだと思いますが、『Lift Me Up』は王道で馴染みやすく、『Saving My Heart』はメロディが綺麗で一番好きな曲です。海外のバンドが作る曲には蛍光色をして…

【CD感想】The Piper at the Gates of Dawn / Pink Floyd

原色を油に浮かべてかき混ぜたような怪しげでサイケなアルバムです。割に単調なところもあってまた聴きたくなるようなものではありません。 1.Astronomy Domine ★★★☆☆ 2.Lucifer Sam ★★★☆☆ 3.Matilda Mother ★★★☆☆ 4.Flaming ★★★☆☆ 5.Pow R. Toc H. ★★★★☆ 6.…

【詩】トド

トド! とっととトド! トド! とっととトド! もしも明日トドになっていたら 台所に行くのもひと苦労なわけだ とどのつまりそういう可能性も考慮に入れる価値がある 私たちは滞りを許そうじゃないか

【2020/3】

「すべき」という文言。大抵は個人や組織の感想及び提案程度の意見であって無視すべきなのである。今月も移動が多く時間の無い一ヶ月だった。駄目だったこともあるが駄目になったらなってしまったで全然気落ちしないのはどうなんだろう。目を合わせることが…

【CD感想】夕焼けバラッド / 夕焼けランプ

ピアノ主体のバンドの7曲入りミニアルバムです。子供のような声が特徴的で、曲も楽器よりボーカルの方に重点が置かれているように感じました。あまり好みのアルバムではありませんでした。随分前に聴いたアルバムですがこれ以外には聴いたことがありませんの…

【CD感想】Machine Head / Deep Purple

ハードロックですが、個々の楽器に統制がとれていて複雑に入り組んではいません。カッチリとして作りこまれた完成度の高いアルバムだと思いました。『Highway Star』のギターでどんどん進行していく感じが好きです。 1.Highway Star ★★★★★ 2.Maybe I'm a Leo…

【詩】香水:銀色の空気

憶えてはないでしょうね。ずっと前のことで雨の日だったから憶えているはずないもの。からっと晴れて気持ちの良い日に起ったことしか憶えてないんだから、いつも……。大人になってしまうと不思議なものね。そうよ、おかしなものよ、大人になるってことは。幼…

【CD感想】Tarantula / Ride

Rideの解散前最後のアルバムです。これまでと比べるとポップでサラッと聴ける反面、初期のアルバムと比べると印象に残りませんでした。サクッと聴けるので意外と好きなアルバムではあります。 1.Black Nite Crash ★★★★★ ギターサウンドが迸ってます。 2.Sunc…

【2020/2】

2月は31日まで延ばしてほかの6月とか10月ぐらいを短い日数で終わる月にしてほしい。コロナウイルスは別になんでもないものだと思っていたが存外に影響が甚大であって辛苦は続く。移動が多い月で、飛行機新幹線に多く乗った月だった。体力が削られそのせいで…

【CD感想】Tarkus / Emerson, Lake & Palmer

表題となっている1曲目は20分超の大作です。これ以外はうーん…といった感じでした。このアルバムはオーケストラアレンジされたCDも発売されているようです。そのうち聴いてみたいですね。 1.Tarkus ★★★★★ 2.Jeremy Bender ★★★☆☆ 3.Bitches Crystal ★★★☆☆ 4.T…

【詩】ある男

生活の中の捨て置かれた時間で、様様な事物の途中にある合間で、僕はこうして始めることをします僕はこれを悲しむべき悲しいことだとは思います生活は僕の体力を挘り取って始めるのに要するものさえ残しませんまた始めたところでそれも詰り僕の不安を込合い…

【2020/1】

今月の記事であるが今月のことはまあイイとして来月のことを書くのであるが来月は非常に忙しくなりそうでもう既に気分が滅入っている状態である。何より移動が面倒。体力も取られるし僕は乗り物が得意じゃないし。最近スピッツのアルバムで一番好きなのは『…

【CD感想】おじゃる丸 オリジナル・サウンドトラック / おじゃる丸

プリン賛歌のフルバージョン収録です。この曲のイントロは結構ロック風で面白いですよね。今だとEDM風だったりストリングスを入れるアレンジをしても面白そうです。 おじゃる丸 ― オリジナル・サウンドトラックアーティスト:TVサントラ,ウクレレさん,子鬼ト…

【CD感想】No Line on the Horizon / U2

重苦しく暗鬱な雰囲気の漠漠としたアルバムです。ポピュラーなアルバムとは言えないですね。僕個人としては1つ目と2つ目、あとラストのボーナストラックの曲が大幅に抜けています。ほかの曲はモノトニックで何回も聴こうとは思えませんでしたが、やはりこの3…

【詩】廻廊

おお、私の背後にある虎よ、その眼は光を見ている、闇を見ている 未だ真新しい爪牙は使うことはないだろう それというのもこの私が、この私が、あまりに…… 詩はひとつだけでいい われわれははじめから何もかもを分っているのだ そして人間は何もかもを脆い言…

【2019/12】

2010年代も終わりということである。来年はオリンピックイヤーということに一応なっているがまあ全く関係ないのである。オリンピックが終わったらこの国はどうなるんでしょう。それもまあ関係ない気持ちでいるが実際は誰しもそうではない。それぞれの人間の…

【曲感想】Lost Stars / maroon 5

maroon 5の『Lost Stars』。maroon 5の中でも最も好きな曲のひとつで、ほかにすぐに思い浮かぶのは『Losing My Mind』、『This Love』、『Must Get Out』、『Sunday Morning』、『Payphone (Cutmore Remix)』ですが、僕の中ではこれらに比肩する曲です。1st…

【作文】街灯

汚い靴を履いた中年の女。磨き上げた革靴の男。分類することは容易。雨が傘を打つ。水流に追われるように坂を下る。影の無い朝。地下鉄には不愉快な音を残しながら走り抜ける連中。目的地を待つ連中。今や目的地は辿り着くものではなくなった。混ざり合い拡…